[SIJ: 21034] 西宮・甲陽園 新刊のご案内とグルジェフ・ムーブメンツのプログラム
Atimoda
atimoda.atmo @ gmail.com
2020年 10月 21日 (水) 15:29:00 JST
ターラ瞑想センター、アティモダです。
グルジェフ・ムーブメンツの西宮でのプログラムと、プラバンが翻訳したウスペンスキーの本のご案内です。
プログラム案内と新刊案内
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西宮甲陽園でのグルジェフ・ムーヴメンツとメディテーション
■毎週のプログラム
日曜日10:00~12:30、水曜日19700~21:00
■3日間のプログラム
11月21日 13:00~23日16:00
詳細:http://gurdjieff.la.coocan.jp/
受付:山本智子 Atimoda 090 1226 2461
atimoda.atmo @ gmail.com
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P ・D・ウスペンスキー著 郷 尚文 訳
『イワン・オソキンの不可思議なる人生』
Amazon Kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B08LHFXH54
本書はP ・D・ウスペンスキーが1905年に草稿を書き上げた処女作で、ロシア語版は1915
年に出版された。実話と虚構を交ぜてだが、基本的に彼自身をモデルにしている。
青春小説・恋愛小説という体裁ながら、内容は深甚である。過去を修復しようとしても修復できない歯がゆさはあるが、それでも奮闘する意志を示した筋立てで、学校時代に始まる彼自身の過去を取り上げながらも、グルジェフとの出会いを含めた彼自身のそれからの人生を暗示する内容となっている。
生の反復、すべては起こるがまま、機械仕掛けの人生、自分を変えることの不可能性、未来を知ることがはたして役に立つかという問題など、本書で扱われたテーマのいくつかは、グルジェフがウスペンスキーと論じたものとして、『奇跡を求めて』の最初の数章にも取り上げられている。
ウスペンスキーがテレパシー的な能力を使ってまだ見ぬグルジェフから教えを受け取っていたのでなければ、グルジェフのほうが彼自身の初期の教えでの強調点をウスペンスキーに合わせたと考えられる。
本書はウスペンスキーの遺作でもある。1947年10
月、ウスペンスキーが死んだのと同じ月のうちに、あらかじめ用意された遺言であったかのように、最後の二つの章を大幅に書き改めて内容を拡充した本書の英語版が出版されたからである。処女作にして遺作という本書の位置付けは、生の反復、過去と未来の交錯といった、本書のテーマと重なり合い、本書に込められたメッセージを特別に意味深なものとしている。
日本語版の内容は、最後の二つの章を除いては、1947
年版英語版に基づいている。この部分に関してはロシア語版との間に決定的な差はないが、目立った変更や大きく加筆された部分は、注釈によって書き改めの概略がわかるようにしている。大幅に書き改められた最後の二つの章については、
1915年版ロシア語版の内容と1947年英語版の内容の両方を収録している。
『ウスペンスキーの他の著作の多くが、彼自身を離れて思想や知識を扱ったものであるのに対し、本書は、彼自身の人生のプライベートな部分を直接的に扱った例外的な一冊である。彼自身の意思によらずして死後に公表された『奇跡を求めて』については言うに及ばず、イマヌエル・カントやチャールズ・ヒントンなど他所から借りたものに負うところが多い『ターシャム・オルガヌム』にも彼自身の影が薄いことを考えると、本書は真にウスペンスキーのものと言える最大の傑作、彼自身が彼自身との関係で残したほとんど唯一の作品として注目されるにふさわしい。
彼の経歴に関する米国の出版社による虚偽の表示を原因として広まった人々の誤解から、ウスペンスキーは知の巨人としてもてはやされ、彼自身もそれに乗じたところがあるが、本書では、知ることの無力をひとつのテーマとし、頭の悪さを自分の最大の欠点として挙げている。教師としてのプライドにふくれあがったウスペンスキーの語りしか知らない多くの読者が驚くであろうこととして、本書では、思想と人生の間の分離がない。
じつにウスペンスキーは、「自分を思い出すこと」とも解釈しうる「自己想起」を説きながらも、振り返るなら1905
年以降、本書に描かれた行き詰まりからの出口を探すなか、神智学とオカルトへの傾倒、ハシーシを使った実験、奇跡を求めてのインド旅行といったことを経て、その目は決定的に外側へと向かい、それを内側に向かわせようとするグルジェフの働きかけは、彼のなかに不満と反発を呼び起こした。そして、
1924
年のグルジェフとの絶縁宣言を経て、人生の最晩年、ふたたび本書に立ち戻るまで、自分自身にフォーカスを向ける姿勢を示したことがなかった。自分が在るということ、それが意味することへの思いの表明をもって本書は終わっている。
本書の英語版でも直接的にグルジェフに言及した箇所はないが、大幅に書き改められた最後の部分でのオソキンと魔術師の間でのやりとりから、グルジェフの側からの誘いかけにもかかわらず物理的な次元では実現しなかったグルジェフとウスペンスキーの間での最後の会話の内容をうかがうことができる。
※巻末に本書で重要な鍵を握るロバート・ルイス・スティーヴンソン『まだ来ぬ時の歌』の全訳を収めている。
単行本換算:約270ページ
目次
第一章 別れ
第二章 三通の手紙
第三章 紺色のオーバーコートを着た男
第四章 ロマンスの終わり
第五章 魔術師の家で
第六章 朝
第七章 思い
第八章 過去
第九章 夢
第十章 中等学校生
第十一章 母
第十二章 月曜日
第十三章 現実と寓話
第十四章 居残り
第十五章 退屈のあまり
第十六章 ゼウス
第十七章 保健室で
第十八章 家で
第十九章 タネチカ
第二十章 叔父
第二十一章 悪魔の機械仕掛け
第二十二章 パリ
第二十三章 ズィネイダ
第二十四章 避けがたきこと
第二十五章 ある冬の日
第二十六章 運命の輪
Ⅰ 第一の結末(一九一五年ロシア語版より)
第二十七章 狭間にて
第二十八章 結論
Ⅱ 第二の結末(一九四七年英語版より)
第二十七章 狭間にて
第二十八章 結論
付録:『まだ来ぬ時の歌』(スティーヴンソン)
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Kindle版で読める関連書の紹介
■グルジェフ『魔術師たちの闘争』
https://www.amazon.co.jp/dp/B00NCQRGHY
主人公が男と女の間での問題の解決を魔術に求めるという筋書きの共通点と、かたやズィネイダかたやゼイナブというヒロインの名前の類似性から、本書との不思議な結び付きがうかがわれるグルジェフのバレエ戯曲。
P・D・ウスペンスキー『奇跡を求めて』の第一章に言及されている。
ウスペンスキーがグルジェフの存在を初めて意識するのは、1914年11月13日、このバレエ劇『魔術師たちの闘争
』の予告記事を新聞上で見かけたときのことだった。
■グルジェフ『垣間見た真理』
https://www.amazon.co.jp/dp/B00NCRJDK6
グルジェフの構想に基づいてグルジェフのロシア時代の生徒たちが書いたものとして、これもP・D
・ウスペンスキー『奇跡を求めて』の第一章に言及されている。モスクワ郊外の隠れ家でのグルジェフとの対面の場面の舞台設定が、本書のロシア語版においてもう、モスクワのどこかにある魔術師の家での魔術師とオソキンの対話の場面を思わせる。ウスペンスキー自身もこれを意識しているようで、英語版では、じゅうたんに関する追加的な描写により、いっそう舞台設定をグルジェフを思わせるものとしている。
■郷 尚文『グルジェフ総論:三つのセンター、三つの体』
https://www.amazon.co.jp/dp/B08KFYPNYY
1905年に草稿が書き上げられた本書のロシア語版で魔術師の家を出たオソキンは、それからどのような人生を送ったのか?
「生の意味」について考えるという話はそれからどうなるのか? 彼は学歴とカネの問題をどのように解決するのか? 彼がついに見つけた天職は?
その職業はどんなふうに彼の性格を変えていくのか? かつて未来から自分を救いに訪れた運命の彼女との再会はあるのか?
教師の前での知ったかぶりの癖はあれからどうなったのか? 学校時代に問題となった性格はその後の人生でどうなったのか? その後の彼の女性遍歴は?
現実からの教え、人生のなかでほんとうに出会った魔術師からの教え、ズィネイダに続いて彼と容赦なく向かい合った三人の女たちからの教えは、いっそう不可思議で、いっそうハードなものとなった。死を前にして、ウスペンスキーはそのすべてを振り返り、本書を書き改めたのだろう。つらいことではあるが、そこにまったく希望がないわけではない。訳者が先に発行した『グルジェフ総論:三つのセンター、三つの体』ではウスペンスキーを扱ったいくつかの章で以上のようなことを扱っている。
※ほかにP ・D
・ウスペンスキー『奇跡を求めて』の解説付き新訳版を三部構成で発行する予定である。とくにその第六章に収められた「未来を知ること」をめぐるグルジェフとウスペンスキーとの間での対話の内容が本書の内容と密接にからみあい、そこに描かれたグルジェフは本書に登場する魔術師とほとんど同一人物である。
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グルジェフ&グルジェフ・ムーヴメンツ
http://gurdjieff.la.coocan.jp/
Osho Tara Meditation Center
http://www.osho-tara.site/
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